主任教授あいさつ
中野匡教授ごあいさつ
平成29年、東京慈恵会医科大学眼科学講座は126年目を迎えました。当講座は、明治20年(1887年)に成医会講習所として学祖、高木兼寛先生によって慈恵医大が開設された4年後、初代眼科主任教授である宮下俊吉先生によって開講。明治25年に日高昴教授、大正11年に村上俊泰教授、昭和22年に大橋孝平教授、昭和46年に舩橋知也教授、昭和57年に松崎浩教授、平成2年から北原健二教授、そして平成19年に常岡寬教授へと引き継がれ、本年4月より私が9代目を務めさせていただくこととなりました。
当講座では、伝統的に様々な専門分野が自発的に立ち上がる自由な風土の下、現在も角膜・視覚・ぶどう膜・ロービジョン・緑内障・白内障・神経眼科・眼腫瘍・網膜硝子体・黄斑・小児斜弱・涙器・眼形成の各専門外来を擁し、対峙する眼疾患に対して最先端の医療を提供できるよう、高度専門知識をもったスタッフが日々切磋琢磨、研究・臨床に勤しんでいます。この妥協なき研鑽の姿勢をこれからも継承するとともに、いっそう自主性を重んじる講座運営を行って参りたいと考えております。
日本の医療は、これまで以上にドラスティックに変化することが予想されます。国策として先制医療が推進される中、眼科領域においてもますます早期診断や治療介入における費用と、それに伴う効果が重視され、特定機能病院とかかりつけ医との役割分担や連携強化もさらなる重要課題となってくるでしょう。これに応え、さらなる発展を目指しながら当講座が今後も未来永劫存続するため、「病気を診ずして病人を診よ」という本学建学の精神と諸先輩方から脈々と受け継がれた伝統を堅持し、ご紹介いただいた患者さんに満足度の高い医療を提供できるよう、慧眼を磨き鋭意努力して参る所存です。
つきましては今後とも、諸先生方には変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、また当講座のさらなる邁進にお力添えくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
平成29年7月9日
中野 匡