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東京慈恵会医科大学附属柏病院 眼科

2023年を振り返って

2023年も昨年同様、柏病院は新型コロナ禍でスタートしました。第8波を何とか乗り越え、国策により新型コロナ感染症が2類から5類になり、マスクを外す人が多くなり、海外からの旅行者が爆発的に増え、世の中的にはコロナ前に戻ったかのようでしたが、相変わらず院内では入院患者のコロナ陽性者が発生し、コロナ病棟は秋まで満室状態でした。病院機能としては柏病院の最大の特徴である救急も制限し、医師不足から全身麻酔手術も制限されています。そのような中、眼科は唯一手術件数を伸ばすことが出来ましたが、これは数字上の事で白内障をほぼ全て外来手術で行ったため、件数だけは増加しました。
しかし、柏病院の特徴である網膜硝子体手術については一部の疾患で日帰り硝子体手術へ移行できましたが、網膜剥離の急患については随分お断りした例が多かったと思います。病院には貢献できましたが、本当に患者さんや紹介元の開業の先生方に迷惑をかけなかったかと言えば、それは違っていました。また若い先生の勉強の機会もかなり元に戻せましたが、硝子体手術を学ぼうとする若手は少し制限がかかってしまい、思ったようにならなかったかもしれません。

2024年以降の展望

2021年から若手の先生に芽生えた研究に対する意欲が確実に定着し、臨床研究と基礎的な研究の両方の面で成果を上げています。また硝子体手術や緑内障手術を手掛ける若い先生も症例数を増やしており、レジデントのうちに白内障手術以外の専門的な手術手掛ける機会をさらに充実させていこうと考えています。

ご紹介をいただいている近隣の先生方へ

新型コロナの影響で入院手術は相変わらず制限を受けておりますが、白内障手術はほぼ制限がなくなり、MIGSなどの緑内障手術や黄斑疾患や一部の網膜剥離等の硝子体手術も日帰りで施行する症例が増えて参りました。お断りすることが多かった入院手術のかなりの部分を非入院で対処できるようになり多くの患者さんをお引き受けできるようになりましたので、お困りの症例や重症例、緊急性の高い症例も含め、遠慮なくご紹介頂きたいと存じます。

今後当院へ赴任される若手の先生へ

柏病院眼科は今や14~15名の医師を抱える準本院ともいえるような眼科です。症例の豊富さは本院に劣らず、手術件数も硝子体手術や緑内障手術は本院に負けない件数になっています。しかもその件数を稼いでいるのはごく少数の専門外来の医師ではなく皆さんと変わらない年代の若手の先生達です。柏病院眼科はベテランと若手が一緒になって外来や手術を研鑽しています。やる気さえあれば手術が上手くなる機会は均等に与えられます。期待感をもって柏病院に来てください。実力のある外科系眼科医になれる教育課程を用意して皆さんを歓迎致します。

最後に

約20年にわたり附属病院だよりを担当してきましたが、2024年3月いっぱいで定年退職となり、これが最後になります。これからはいちOBとして慈眼会報に戯言を書くようになります。これまで私と一緒に柏病院で働いて下さった全ての皆様に感謝いたします。

文責 診療部長 郡司久人