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角膜外来

基本情報

外来日:
月曜 午後
担当医:
柴琢也、小川智一郎、葛西梢、東友馨
大野建治(非常勤)、坂本仁子(非常勤)

特長

日常診療でよく遭遇する角膜疾患(ドライアイ、角膜感染症、円錐角膜、翼状片等)から難治性角膜疾患まで角膜全般を診療しています。

1. ドライアイ

ドライアイは、眼の乾燥により起こる病気です。自覚症状に加え、涙液(なみだ)の異常と角結膜上皮障害があり、眼不快感や視機能異常を伴うものと定義されています。自覚症状は様々で"ゴロゴロする""重たい感じがする""かすんで見える""充血する""疲れやすい"などがあります。ドライアイの治療は、涙液の補充と涙液の維持を中心におこなわれます。症状が軽い場合は、涙液の補充を行います。人工涙液、ヒアルロン酸点眼、ムチンや水分を分泌促進する点眼薬(ジクアホソルナトリウム)、ムチンを産生し抗炎症効果があるといわれている点眼薬(レパミピド)が用いられ、症状を緩和させることができます。それでも効果がないときは涙液の維持を目的とする治療をします。涙点プラグ法といい、涙点と呼ばれる涙液の排出口をシリコン製の特殊なプラグで栓をして、涙液が溜まるようにするものです。近年では涙点プラグ法が保険適応となり、一般的になりつつあります。眼表面の涙液を長時間貯留させることにより、ドライアイの症状を改善させることが可能となりました。

2. 角膜感染性疾患

角膜の表面に傷ができると角膜感染症を起こします。角膜感染症は、重症例では角膜穿孔を起こすため比較的緊急性の高い病気です。早い時期に原因菌を突き止め適切な治療を行わないと、角膜が濁って視力が低下することがあります。当院では、培養検査をすることで、原因菌を同定し治療方針を決めています。コンタクトレンズ装用者では正しい扱い方を守ること、異物が目に入りやすい作業をする場合には、保護用眼鏡をかけることなど、日頃の予防が大切です。病原菌には細菌・真菌・アカントアメーバ・ヘルペスウイルスなどがあります。

細菌性角膜炎
最近ではコンタクトレンズを装用する人の間で増えていますが、コンタクトレンズを正しく取り扱っていない場合に洗面所などにいる菌が目に入り、感染することが多くなっています。強い目の痛みと大量の目ヤニを自覚し、角膜は白く濁り結膜は充血します。治療は抗菌薬を頻回に点眼します。細菌の種類によっては病状の進行が非常に早いものがあり、放置した場合、角膜が穿孔(孔が開く)してしまいます。治療によって細菌が除去できたとしても、角膜に濁りを残して視力が低下したままになってしまうこともあります。
真菌性角膜炎
真菌とはカビの一種です。真菌性角膜炎は、カビが角膜に感染することをいい、治癒するまでに長い期間がかかります。抗真菌薬には、ポリエン系、アゾール系、キャンディン系、ピリミジン系の4種類がありますが、点眼薬(医療用医薬品)として存在するものは、ポリエン系のピマリシン(点眼液・眼軟膏)のみです。当院ではアゾール系やキャンディン系の抗真菌薬を自家調剤して点眼薬として使用しています。
アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバと呼ばれる微生物が原因で起こる角膜感染症で、最近数年間増加しています。アカントアメーバは川や沼、土壌や公園の砂などに広く存在しています。洗面所など、水周りにもいることが多いようです。アカントアメーバ角膜炎を発症したほとんどの人はソフトコンタクトレンズ使用者です。毎日使い捨てにしなければならないレンズを再度装用したり、再装用可能なレンズでもこすり洗いやすすぎ洗いなど、決められた取り扱いができていない場合がほとんどです。アカントアメーバの特効薬はありません。すこしでも効果のある抗真菌薬や消毒薬を点眼するか、角膜の表面を削るなど、いろいろな治療法を併用しますが、きわめて治りにくいのが特徴です。
ヘルペス性角膜炎
ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスが原因で起こる角膜感染症です。ヘルペスウイルスには単純ヘルペスと帯状ヘルペスとがありますが、どちらのウイルスも角膜炎を起こします。治療は、抗ウイルス薬の眼軟膏を使用し、重症例には内服や点滴を行うこともあります。また、いったん完治しても体調が不良になったときなどに再発することがあります。再発を繰り返すと、角膜に濁りを生じて視力障害を残したり、角膜が薄くなって穿孔したりすることもあります。

3. 円錐角膜

円錐角膜とは、角膜中央の厚みが薄くなり、薄くなった部分が前へ円錐状に突出する病気です。突出することで、角膜の歪み(乱視)が生じるため視力が低下します。原因は今のところ不明ですが、アレルギー性結膜炎やアトピーのある人に多い傾向があります。円錐角膜の程度は様々で、突出が軽度であれば、眼鏡やソフトコンタクトレンズの装用で良好な視力が得られますが、進行した場合は次の方法が必要となってきます。突出の程度が軽度~中等度の場合はハードコンタクトレンズ装用、角膜内リング、角膜クロスリンキング、突出の程度が高度の場合は角膜移植が適応になります。当院では進行の程度を経時的に観察し、必要に応じてハードコンタクトレンズ作成、角膜移植を行っています。

4. 翼状片

翼状片とは、結膜が目頭から角膜に三角形状に入り込んでくる病気です。自覚症状としては充血や異物感などがあります。原因は不明ですが、高齢者に多く病気の発生には紫外線が関与しているといわれています。治療は、悪性ではないので症状がなければそのままにしても問題ないのですが、充血や異物感が強くなってくれば点眼などの治療を行います。翼状片が中心まで伸びてくると乱視が強くなるため、手術が必要となります。ただし、手術を行っても再発率が高く、年齢が若いほどより再発しやすくなります。

5. 角膜移植

角膜が濁ったり、傷ついたり、変形すると視力が低下します。それを、亡くなった方からご提供いただいた健康な透明な角膜と交換して視力を回復させるのが角膜移植です。角膜移植手術の適応となる主な疾患には、角膜ヘルペスやその他角膜感染後の混濁、眼の手術や角膜内皮炎の後に起こる水疱性角膜症、円錐角膜、角膜変性症、角膜の化学外傷や熱傷後の混濁などがあります。手術の方法には、全層角膜移植術(PKP)、角膜表層移植術(LKP)、深層層状角膜移植術(DALK)、角膜内皮移植術(DSAEK)などがあります。診察の上、手術の適応や手術の方法について判断し、患者さんと相談の上、アイバンクへ待機登録をします。角膜の斡旋はアイバンクを中心に行っており、角膜のご提供があった場合に待機登録リストに従って当院から患者さんにご連絡を差し上げます。緊急手術になりますから、連絡を差し上げてから数日以内に手術となります。待機期間は3〜6ヶ月です。角膜移植については、まずは角膜外来医師までご相談ください。